2005シーズン、日本のスクートライダーは大きな衝撃を受けることとなった。それは今シーズン日本でのスクートコンテスト、レースにプロモーションも兼ねて参戦、来日したヨーロッパのライダー「ザビエル」の存在とライディングだ。彼と過ごした1週間で感じたこと、共感したことを記事にしてみた
ザビエルはおそらくもっとも長くスクートをライディングしてきた男の一人。ライディング歴は10年近くになる。スノースクートをずっと滑ってきたライダーなら今となっては入手が難しいビデオ「AIR&CRASH」や「SCOOT JAM」シリーズで映像を通して彼のライディングを覚えている人も多いだろう。(SCOOT JAMシリーズは一部現在でも入手可能、エバーサマーシリーズでも少しだけ彼のライディングを見ることが出来る)
早口のフランス語でペラペラとしゃべり、ビッグエアーで360をバンバン決める映像を見ては「これこそがスノースクート!」って若かりし頃の僕達は興奮していた。三連のそんなに大きくないキッカーでノーフット>テイルウイップ>360ってノーカットで魅せるシーンは凄かったな。見るたびにドキドキした。
そんなザビエルが2005年にジャパンクロスゲームマズターズとホリデイズへの参戦の為に来日した。誰かがケアしなきゃあいけない。僕はその役を買って出た。初対面のザビは慣れない飛行機と電車で髪の毛が逆立ってマンガのキャラクターみたいな髪形になっていた、お互いにカタコトの英語でコミュニケーションを取りながら皆が待っている白馬へ向かった。松本駅には我満達数人が向かえにきてくれていた、道中ザビエルと僕は色んな女の子を見ては自分のタイプか?というくだらない話をしてきたが、ザビエルの一番のお気に入りは松本駅前のソバ屋の女の子だった!!!一緒だよ!
翌日ホリデイズのコースの最終打ち合わせを兼ねてさのさかへザビエルと滑りにいった。ザビエルがテストで滑ったクロスコース、なんと最後の小さなキッカーにフルスピードで突っ込んで、、(いや小さなというか大きいんだけどリップも立ってなくて飛ぶのは凄く難しい)30cmほどしか浮かずに超ハイスピードテイルウイップ!キャッチのときに「バチン!」って音がした。全然まくれずにスクートがフラットに回っていく。ぶいーんってまさかりみたいに縦に回すんじゃなくて、皆があこがれるテイルウイップの中のテイルウイップ!
その場にいた僕らは「イエー!」っていうのも忘れて唖然としてた。
「これこそがスノースクートなんだ」って!
その後はパークでジャム&撮影、ザビエルはダブルテイルウイップを回しまくっていた。メイク率はほぼ100%。ほとんど病気だ。もうテイルウイップというトリックを自分の思った通りのスピード、スタイルで回す感覚にハマってるんだと思う、きっとキャッチした瞬間に「ホラね」って思っているに違い無い。
ホリデイズでもザビエルは大活躍。終わった後に「こんなスゲー楽しいイベントはヨーロッパにも無い!お前等最高だ」っていってくれた。夜に白馬のライダー達とザビエルとスクートについて色んな話をした。ザビエルはひたすら「プラクティス」って単語を連発していた、「とにかく練習しかない、俺は360に三年、テイルウイップに5年はかかった」トリックだけじゃなくてザビエルは滑るときに常に向上心と楽しむことを忘れていない。僕達は最高の夜を過ごした。
ザビエルは普段は車で生活しているらしい、だからいつもスキー場の目の前で朝を迎えれる、誰かが「ザビエルはニートだ!」って冗談で笑っていた。朝起きて目の前に山がある生活、毎日を滑ることでハッピーに過ごすスタイル。なかなか難しいとは思う、それがベストかどうかは分からないけど僕達は深く共感した。
きっと来シーズンも一緒に滑る機会があるだろう。もしザビエルをみかけたら気軽に声をかけてみて!きっと最高の笑顔とテンションで一緒に滑ってくれるはずだから。あんなにスノースクートが好きなヤツもそうはいないからね